焙煎度合いによる珈琲豆の色の違い

当店の珈琲豆はすべて、『Uncle-BuBu』と同じように、限りなくイタリアンローストに近いフレンチローストです。 そんな極深煎りならではの特徴は、挽く前から漂う強い香りと幾重にも折り重なった深いコク、柔らかい苦味の奥に感じられるほんのりとした甘味にあります。その多様な味を生み出しているのが、この焙煎機です。

ホッパー

回転ドラム

サイクロン

冷却槽

直火式ロースター 4Kg釜

ラッキーコーヒーマシーン社製

型番:SLR2

生豆をここから投入します
回転ドラムの上に排気通路があり排気量は本体下部のダンパーで調節します

回転により豆を撹拌する網目状ドラムの内側に、バーナーの火と熱が直接入り込んで豆を煎り上げるのが直火式の特徴です

生豆に付いていたシルバースキンやチャフといった皮を排気流から分離して集める集塵装置

煎り終わって取り出した豆を撹拌しながら、下からの強制吸気で冷やして焙煎進行を止めます



改造部分

バーナーと回転ドラムの間に設けた遮蔽板でドラムに入り込む炎の量を調節しています
全部遮蔽するとパンチの効いた個性が無くなり、全て解除すると豆の表面が焦げやすくなって焼きムラが厳しくなり味が損なわれます

回転ドラム
遮蔽板
バーナー
種火
ダンパー

▲ バーナーの上に取り付けた遮蔽板

遮蔽板をかわして部分的にゆらゆらと入り込む炎が、
バーベキューの網焼きの肉のように野趣あふれる味わいを加えます


ブブズコーヒーの焙煎

焙煎機の構造はとても単純なものです。

そこで行っていることは「手網による焙煎」と原理的に同じです。つまり、熱源の上で豆を動かし続けながら加熱してゆくと、豆の内部で様々な成分の化学変化が起こります。それが味の変化です。焙煎の度合いが進むにしたがって、酸味の強い味から苦味の強い味へと変化しますので、狙った焼き具合になるのを待って火から外します。

焙煎機に施す操作は火加減の調整とダンパーの微妙な開閉だけであって、あとは投入する生豆の量や状態、気温と湿度、そして焙煎の進み具合などから煎り止めのタイミングをはかります。操作は単純ですが繊細な判断が必要で、それが味に繋がるところが焙煎の面白くも難しいところです。

週末焙煎オヤジの扱う豆の種類は限られていて、狙っているのは『Uncle-BuBu』のフレンチのような極深煎りだけです。〝極深煎り〟というのは浅煎り・中煎り・深煎りといった相対的な度合いを指す言葉ではなく、それ以上焙煎すると急に味が抜け始めるポイントがあって、その直前まで迫る焙煎イメージの造語です。

基本的には、混合焙煎によって起こる煎りブレを長時間焙煎することでで押さえ込むという手法をとっています。当然のように起こる煎りムラ、煎りブレを、時間をかけることで揃えていくことと、まばらに入る直火の表面焼けが味の多層性・重層性を創り出し、それが例えば歌唱におけるビブラートのように〝味のゆらぎ〟ともいえる魅力になるのではないかと考えます。

文字にすると屁理屈みたいにも見えますが、それでも美味いと思える珈琲です。誰にとっても美味しいというわけではありませんが、ハマる人にはハマります。私が10数年間にわたって毎日飲んでいて未だに飽きが来ないのですから。

豆の焼き色を見るスプーン

珈琲のような嗜好品では、
美味い不味いは人それぞれです
何故なら、嗜好は思い出に影響されるからです
記憶に残る味かどうか、一度ご賞味ください